新型コロナウイルスと、その後の後遺症問題
新型コロナウイルスに感染後、療養をして無事に治癒したとしても後遺症が続いてしまうケースがあるということをご存知でしょうか。
コロナウイルス治癒後も続く後遺症について医師の証言を掲載します。

もくじ
1.新型コロナウイルス陰性後も症状が続くって本当?
新型コロナウイルスによる後遺症について、日本では現在、日本呼吸器学会がその実態に向けて調査を進めている段階であるため、正確な後遺症についての情報は出てきていません。
ですが、新型コロナウイルスに感染し、入院して治療を受け、治癒した後に退院された患者さんたちの証言、そして欧米諸国、イタリアの研究によって、新型コロナウイルスに感染し、治癒した後でもさまざまな症状が続くことがあるということが分かりました。
イタリアの研究によると、新型コロナウイルスに感染して回復された方の約3割に後遺症を残す可能性があると発表されており、新型コロナウイルスがさらなる脅威を持っていることが証明され始めています。
新型コロナウイルス感染後の後遺症は高齢者だけでなく10代、20代の若年層も悩まされることがあり、老若男女問わずに注意しておきたいものであると言えるでしょう。
2.新型コロナウイルス治療後にはどんな症状が残るの?
それではどんな症状を残すことがあるのか、患者さんたちの証言や欧米諸国の情報から詳しくご紹介します。
まず、日本及び海外でも最も多く指摘されている後遺症が、肺の後遺症です。
もう既に治癒しており、PCR検査でも陰性になっているのに、呼吸困難感など呼吸器症状が持続する、息苦しくて日常生活にも支障をきたす、というケースがあるほか、肺線維症という基質的変化を引き起こす恐れがあり、肺に完治不能な障害を受ける可能性が指摘されています。
新型コロナウイルス感染症はもともと呼吸器系に影響を及ぼす疾患であるため、呼吸器への後遺症は不可避とも言えるのですが、もうひとつ、日本でも報告されている新型コロナウイルス感染症の後遺症として、気分障害や認知障害があります。
イギリスの調査によると、新型コロナウイルスに感染した方では記憶障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、うつ病、不安、不眠症などの精神医学的後遺症を発症することがあり、回復した後も数年先まで続く可能性があることを発表しています。
これについては日本の大学病院でも同様の結果が出ています。
そのほかにも、ドイツの研究では、新型コロナウイルス感染後の後遺症として、腎臓への後遺症が指摘されています。
アメリカでも同様の後遺症が報告されています。
新型コロナウイルス感染症の重症患者の2~4割が急性腎不全など腎臓の障害をきたすとされており、治癒した後も腎臓への後遺症を残すケースがあります。
また、新型コロナウイルスに感染した際に初期に現れる傾向にある味覚障害や嗅覚障害も新型コロナウイルスが治癒した後でも続く傾向があると報告されています。
これは、新型コロナウイルスに感染したことによって味覚や嗅覚を司る神経や細胞が破壊され、それが修復されるまでに時間を要するためと考えられています。
さらに、新型コロナウイルス感染症に罹患後、治癒した人の中には、発熱をしていないのに倦怠感が持続する、手や足に湿疹ができるという症状が続いている方もおり、新型コロナウイルス感染症による後遺症はこれから本格的に研究がされていく分野となります。
公開日:7月22日
監修:クリニックフォアグループ医師
新型コロナウイルスに感染し、一時は死の淵を見たボリス・ジョンソン英首相を治療したガイズ&セント・トーマスNHS(国民医療サービス)ファンデーション・トラストのニコラス・ハート教授はツイートでこう呼びかけています。
新型コロナウイルス感染症は私たちの世代のポリオだ。
軽症で症状が穏やかな人もいれば重症化する患者もいる。
大量の患者が新型コロナウイルス感染症から回復したあと肉体的、認知、心理的な障害が残るだろう。
長期の管理が必要だ。
事前に計画を立てておかなければならない。
ポリオについて厚生労働省のホームページはこう説明しています
ポリオはポリオウイルスが人の口の中に入って腸内で増え、便を介して他の人に感染。
乳幼児がかかることが多い。
腸管に入ったウイルスが脊髄の一部に入り込み、手や足に麻痺があらわれ、麻痺が一生残ってしまうことがある。
「日本ではワクチン接種で1980年の1例を最後に新たな患者は出ていない」
「新型コロナウイルス感染症は私たちの世代のポリオ」というのは、重症・重篤化した場合、回復しても重い後遺症が残る恐れがあるということです。
日本の専門家会議の見解(3月2日)によると、新型コロナウイルスの感染が確認された症状がある患者の80%が軽症、14%が重症、6%が重篤で、重症化した患者の約半数は回復します。高齢者、循環器系の疾患や糖尿病などの持病のある人、喫煙者、妊婦がハイリスクグループです。
新型コロナウイルスに感染して重症・重篤化した場合、どんな後遺症が残るのでしょう。英リハビリテーション医学会(BSRM)の新型コロナウイルス感染症のリハビリテーションに関する報告書によると、主な合併症は次の通りです。
最も頻繁に起きる合併症
・心血管、肺および筋骨格系の不良
・拘束性肺疾患(肺の容積減少に伴う肺活量の減少)
・うつ病、不安、心的外傷後ストレス障害(PTSD)といった情動障害
・重症疾患多発ニューロパチーや重症疾患ミオパチーなどの集中治療後症候群
・その他の神経学的影響、脳症、脳卒中、脳低酸素症
・少なくともリハビリ初期段階での急性錯乱状態
・ 倦怠感
・ 認知症
頻度は少ないものの、共通して見られる合併症
・血栓塞栓症、心筋梗塞、脳卒中、肺塞栓症
・筋骨格の痛みと不快感
・精神病
・ジスキネジア(運動障害)
・PRES(可逆性後頭葉白質脳症)
・心筋症
新型コロナ、重篤な後遺症の報告多数 一生苦しむ恐れも
世界保健機関(WHO)によるパンデミック宣言から約3か月。
すでに全世界で700万人以上が新型コロナウイルスに感染し、300万人近くが回復したとされる。
感染者のうち、重症化するのは2割とされ、残り8割は軽症もしくは無症状で、症状が出たとしても、インフルエンザより少しきつい程度だという。
多くの人が軽症もしくは無症状ですみ、回復者が増えているのは好ましい傾向だが、まったく油断できないことが明らかになりつつある。
新型コロナから回復した人のなかで、重篤な後遺症が見つかる事例が世界中で次々に報告されているのだ。
韓国では80代女性が、完治から9日後に心臓と脳の血管疾患で急死。
その女性にはうっ血性心不全や高血圧などの持病があったものの、感染症回復後の後遺症が影響したとみられている。
《新型コロナの回復者3割に呼吸疾患などの後遺症が生じる恐れがある》
5月末、イタリアの呼吸器学会が衝撃的な発表を行った。
回復した感染者の調査や、同じコロナウイルス感染症であるSARSなどのデータから、新型コロナが肺に完治し難いほどのダメージを与える可能性があることがわかったという。
少なくとも6か月は、肺にリスクのある状態が続く恐れが高いそうだ。
新型コロナの後遺症として、まず考えられるのは肺への影響です。
体内に侵入したウイルスは肺にたまり、肺炎など呼吸器系の疾患を引き起こします。
その影響で肺が萎縮して肺組織が硬くなると、充分な酸素を得ることが難しくなる『肺線維症』を発症し、回復したのちも息切れが続く可能性がある。
特に長期間、集中治療を受けていた患者ほど後遺症のリスクが高まるとされます。(医療ジャーナリスト)
しかし、軽症者だからと安心はできない。
オランダでは集中治療室から出た患者約1200人のほぼ全員の肺に何らかのダメージが残った。
その一方で、集中治療を受けなかった入院患者約6000人の約半分には、今後数年間で何らかの症状が出る可能性があると現地メディア「NLタイムス」が報じている。
インタビューに応じた現地医師によると「重症化しなかった患者にも後遺症は起こりうるので、回復後に息切れがしたり、運動量の落ちた人は肺の専門医に相談した方がいい」という。
せっかく回復しても、一生にわたって息苦しさに悩まされるリスクがあるのだ。
サイトカインストームで微熱や頭痛が生じる
さらに進んで、「無症状」の患者にも後遺症があるとの指摘がある。
前述の通り、新型コロナの8割は軽症か無症状であり、多くの人は、自分が感染したことに気づかず回復する。
最近、医療現場では無症状回復者に関連する、ある「異変」がしばしば確認されているという。
漢方内科と耳鼻科感染症が専門で、新中野耳鼻咽喉科クリニック院長の陣内賢さんが指摘する。
「現在、クリニックで150人ほどの疑い例を診察しました。
微熱や倦怠感、胸の痛み、息苦しさなど多彩な症状が「1か月以上続いていると訴える患者さんが目立っています。
確証はありませんが、そうした患者は新型コロナに感染したのに無症状のうちに回復しており、その後遺症としてさまざまな症状が出ていると考えられます」
患者が訴える症状は、人間の免疫システムと関連する「サイトカインストーム(免疫暴走)」として説明できるという。
サイトカインストームとは、免疫システムが過剰反応する現象のことです。
ウイルスに感染すると、体内の免疫システムがウイルスという異物を撃退しようとしますが、その際に免疫システムが正常な細胞に過剰な攻撃をすることで、微熱や頭痛などが生じます。
ポイントは、無症状の感染においてもサイトカインストームが生じる可能性があることです。
患者さんらは“内科で検査したがコロナではなく心因性と言われた”と一様に口にしますが、実際には無症状で回復したものの、サイトカインストームが収まらずに症状が出たと推測できる例が少なからずあります。
日本でも無症状の患者が市中に蔓延したとされるため、今後、そうした確定診断がつかない原因不明の症状はますます増えるかもしれません。
現時点で、無症状の回復者の後遺症と推測される現象がどこまで深刻化するかは判断できないが、決して安心できるものでないことはたしかだ。
嗅覚・味覚障害と新型コロナウイルス感染症について 耳鼻咽喉科からのお知らせとお願い
新型コロナウイルスの感染が世界中に流行し、日本においても大都市を中心に急速に広がっています。
新型コロナウイルス感染症は、発熱やせき・たん、のどの痛み、体のだるさが主な症状ですが、嗅覚(におい)や味覚(あじ)も低下することが分かり、新聞やニュースで報道されています。
しかし、味覚の障害はインフルエンザや一般の「かぜ」でも生じることがあり、必ずしも新型コロナウイルスだけが原因ではありません。
また、新型コロナウイルス感染症による嗅覚や味覚の障害は自然に治ることが多く、特効薬もありません。
新型コロナウイルス感染症における対応と注意事項をまとめましたので参考にしていただけますよう、お願いいたします。
脳炎から認知症になる可能性も 専門家危惧するコロナ後遺症
新型コロナウイルスは、回復後に後遺症が残るケースが全世界で報告されています。
肺へのダメージや血栓を引き起こす症例が知られていましたが、記憶障害の症例も伝えられるようになってきました(医療ジャーナリスト)
連日増え続ける新型コロナウイルスの感染者。完治後も後遺症に苦しむ事例が徐々に明らかになってきた。なかでも、注視すべきなのは、この記憶障害のケースだ。
3月に新型コロナウイルスに感染し、髄膜炎を発症した山梨県内の20代男性が退院後、直近1〜2年間の記憶を失っていることが判明しています。
また、4月初旬に感染した埼玉県内の60代男性は多臓器不全となり、人工心肺装置・ECMOによる治療の結果、1カ月後に奇跡的に回復。
しかしながら、この男性もせん妄(意識障害)の後遺症を起こしていました」(全国紙記者)
陰性になったあとの医療費は自己負担
陰性は確認されたものの肺炎自体はよくなっていないため体の中に酸素が十分に取り込めません。
目が覚めたら、歩けなくなっていたといいます。
まだ、退院が見えない中、陰性になったあとの医療費は自己負担。
家族はこの話を知りませんでした。
女性の夫は「8万~10万円はかかる10万円以上かかるかなと思いますよ」「半年になるのか1年になるのかまだわからない中で負担し続けていくのは厳しい状況です」と話します。
新型コロナウイルスは国の指定感染症のため治療費や検査代は全額公費で負担されます。
しかし厚労省によると、PCR検査で2回連続陰性が確認されるなどして「他人に感染させない」と診断されてからは治療費は原則、自己負担になります。
女性の夫は「元の体に戻る保証もないし、あとさきがみえない中で簡単にコロナが消えたから終わりだよというわけにはいかないんじゃないかと」
医師からは自宅に帰るまであと半年から1年と言われています。女性も、その家族も戦いが続きます。
私は3月から外出したのは、3回。
私の場合、基礎疾患があること。
年齢的な問題もあること。
本来ならば、好きな時に好きなところに出かけたいところですが、私が感染すると、家族全員が苦しむことになります。
空気感染であることも明らかになり、今後一層の注意が不可欠と考え行動しています。
私が感染すると、地域の方何人の人が感染し重篤化するのだろうと考えると、本人確認が必要な時以外は外出することは今後もありません。
皆様におかれましても十分気を付けて対処されることと思います。
最後まで読んでくださりありがとうございます。